元寇船いかり引き揚げへ 松浦市がGCFで1000万円達成

クラウドファンディングの目標額達成を知らせる掲示=松浦市役所

 長崎県松浦市が同市鷹島町沖の「鷹島海底遺跡」から元寇船の木製いかりを引き揚げるため募集したガバメントクラウドファンディング(GCF)の最終額が1142万3千円となり目標額(1千万円)を達成した。市は今年秋の引き揚げを予定している。
 同遺跡は1980年から継続的に学術調査をしている国内唯一の水中遺跡。市は引き揚げ事業費を「海に眠る歴史! 元寇のタイムカプセル引き揚げプロジェクト」として昨年11月20日から2月17日までGCFで寄付を募集。衣料品通販大手ZOZO(ゾゾ)創業者で、実業家の前沢友作氏から500万円が振り込まれたことなどもあり、目標額を超える寄付が集まった。
 担当する市教委文化財課では目標達成に感謝するメッセージを市役所3階の同課前に掲示。GCFに応じた全国の228人をプロジェクト会員として会員証を発行。引き揚げに関する情報を会報として定期的に届けるほか、元寇の遺物を展示する市埋蔵文化財センターの入館料を5年間無料にする。また、いかり引き揚げを船上から見学するツアーも企画している。

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