宇宙のリアルに興味津々 相模原で「はやぶさ2」カプセル初公開

大気圏突入時の高熱からカプセルを守る「ヒートシールド」=相模原市中央区の相模原市立博物館

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の探査機「はやぶさ2」が小惑星りゅうぐうから昨年12月に持ち帰ったカプセルが12日、全国で初めて相模原市立博物館(同市中央区高根3丁目)で一般公開された。地元の小学生らが訪れ、6年間で52億キロメートルの厳しい宇宙飛行を終えた姿を真剣な表情で眺めていた。

 公開されたのは、大気圏突入時の熱からカプセル本体を守る断熱材の役割を果たした「ヒートシールド」や、カプセルの本体部分の「インスツルメントモジュール」、着陸時の衝撃を和らげるパラシュートなど5点。ヒートシールドは打ち上げ時は金色の耐熱テープで覆われていたが、大気圏突入時に進行方向前面側が約3000度の高熱を受け黒っぽく炭化し、過酷な状況だったことがうかがえる。りゅうぐうから採取した砂などは解析中のため展示されていない。

 式典には同市の本村賢太郎市長や同市出身でJAXAのプロジェクトマネジャーの津田雄一教授らが出席。津田教授は「はやぶさ2の古里の相模原で初公開できるのは感慨深い。実際に宇宙飛行して帰ってきた現物の迫力や重みを実感してほしい」とあいさつ。相模原で造られた人工衛星探査機のニュースを幼少期に見て「地元が誇らしく思った」というエピソードを披露し、「子どもたちには夢を広げて、もっと大きなことに挑戦してほしい」と“後輩”にエールを送った。

 一般公開に先立ち、同館やJAXA相模原キャンパス近くにある共和小から5年生約120人が見学に訪れ、林田昴樹君(11)は「テレビで見るより大きく、たくさんの部品からできていて驚いた。はやぶさ2には次のミッションも成功させて帰ってきてほしい」と目を輝かせていた。

 同館での一般公開は16日までだが、4800人の予約枠はすべて埋まっている。東京都台東区の国立科学博物館でも予約制で一般公開する予定という。

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