今年も巨人に「熱血!菅野塾」 性格真逆のマイペース女房役・大城になんと捕球指導まで

捕手・大城(右)とベンチへ引き上げる巨人・菅野

無双エースの捕手教育も過熱中だ。巨人の開幕投手に内定している菅野智之投手(31)が12日のオリックスとのオープン戦(京セラ)で順調な仕上がりを披露した。5回無失点で封じたなかで、昨季の〝正妻〟大城卓三捕手(28)への指導もレベルアップ。配球だけでなく、捕球技術にまで及び、まるで菅野とは性格が正反対の大城をどこまで導けるのか見ものとなっている。

26日の開幕戦に向け、菅野がいよいよ本番モードに突入した。〝新球〟のカーブをはじめとするあらゆる球種をまんべんなく内外角に投げ分けることをテーマに登板し、尻上がりに調子を上げた。

降板後の菅野は「投球の内容としてはレベルが上がってきていると思うので、去年とは違った部分を見せられたんじゃないかなと思います」と納得の表情で語れば、原監督も「かなりギアが上がってきているんじゃないでしょうかね」と変化を感じ取った様子だ。

長丁場のシーズンへ着実に備えが進む裏では、エースの捕手教育も熱を帯びてきた。昨季は小林が開幕早々に故障離脱したこともあり、菅野が登板した20試合のうち19試合でバッテリーを組んだのが大城だった。その中でリーグ最多の14勝をマークするなど、コンビとしては充実したシーズンとなったが、大城に期待しているがゆえにさらなる〝上〟を求めるのが菅野だ。

最近では春季キャンプ中の大城の行動にピリリとなり「今年、ブルペンにも受けに来なかったので、そこはちょっと怒った」と指導したばかり。さらに、この日は右打ちの太田の内角をエグるスライダーも投じたのだが、右腕は「ちょっと多めに使っていこうと僕は思っていたんですけど、大城の頭の中からは消えちゃってたのかな」とチクリとやった。

ただ、菅野の大城教育は配球面だけにとどまらなかった。5イニング目の登板を終え、ベンチに引き揚げる際にはグラウンド上で自らしゃがみこみ、グラブをミットに見立てて捕球の仕方も指導。オープン戦とはいえ、両軍のナインやファンも見守る前で実演してみせるのは、かなりのレアシーンだった。

そもそも、チーム内での両者の性格は「対照的」ともっぱらだ。常に高い理想を追い求め、とことんまで突き詰める〝完璧主義〟なのが菅野であるのに対し、大城はいわゆる〝天然系〟のマイペース男と認知されており「誰よりも行動が遅い」と指摘されることもしばしばだ。

菅野の相棒と言えば、同学年で気心が知れていて公私ともに仲が良い小林ではあったが、まるで性格もタイプが異なる大城をいかに引き上げられるのか。より成熟したバッテリーとするためにもエースの手腕が注目される。

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