学校内の悩み「お宝」で解決 琴海中生徒会、カードゲーム制作

「お宝カード」を使い、悩みごと解決のアイデアを出す生徒たち=琴海中

 長崎県長崎市立琴海中(長尾能博校長、256人)生徒会は、学校内の困り事や課題に対し、自分たちの良い部分を生かして解決策を導くカードゲーム「長崎『琴中』LOVERS」を制作している。生徒一人一人がさまざまな課題を自分のことと捉え、より良い学校づくりを進めるのが狙い。
 兵庫県尼崎市が考案したカードゲームを取り入れた琴海中バージョン。カードの存在を紹介した市地域おこし協力隊員、齊藤秀男さん(29)と昨年秋ごろから一緒に取り組んでいる。
 ゲームには「お宝」と「悩みごと」の2種類のカードが必要。その内容は生徒会が全校生徒にアンケートで意見を聞いて決め、最終的に「悩みごと」40枚、「お宝」70枚がそろった。ゲームは数人一組で行い、めくられた「悩みごと」の解決策を、手持ちの「お宝カード」を生かして考え出す。
 2月、試作品で実施したデモンストレーションの一幕-。「教室が古くて壊れているところがあるからどうにかしてほしい」の悩みごとがめくられた。2年の桂木大惺さんは手持ちの中から「ホームページ」「地域とのかかわり」「○○先生の絵が上手い」の3枚を組み合わせた。「○○先生に壊れている場所の絵を描いてもらってホームページに掲載し、地域の人と一緒に直す」と発表すると、ベストアンサーに選ばれた。
 活動に関わってきた元生徒会長の岩下蒼さん=3年=は「生徒の自治活動につながるし、新1年生にも学校の良いところを知ってもらうツールになる」と胸を張った。カードゲームは3月中に完成予定。生徒会活動や新入生のオリエンテーションなどで活用する。

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