名将ベンゲル氏 W杯躍進を目指す森保ジャパンに提言「メンタルのタフネスを身につけるべき」

ベンゲル氏の自伝「赤と白、わが人生」

日本をよく知るあの世界的名将が、2022年カタールW杯で8強を目指す森保ジャパンに緊急提言だ。

イングランド・プレミアリーグの名門アーセナルを22シーズンに渡って率いたほか、J1名古屋でも監督を務めたフランス人の名将アーセン・ベンゲル氏(71)が『アーセン・ベンゲル自伝 赤と白、わが人生』の出版が決まり、オンラインで会見を開いた。

自伝を出版した理由についてベンゲル氏は「過去もこれからも、私はいつも何かに関わり、好奇心を絶やさずにいたいと思っている。人生は努力次第で、夢見る目標を超えることさえある。トップレベルの人間がどう振る舞うかについてお伝えしたかった」と説明した。

かつて名古屋で指揮を執り、親日家でもあるベンゲル氏は現在も日本サッカーをチェックしている。日本代表と東京五輪代表を兼務する森保一監督(52)については「プレッシャーは成長に不可欠だ。プレッシャーのマネジメントを誤れば、チームに悪影響を及ぼす。慣れなければならない。トップレベルでは良い意味でそれを利用する」と異例の兼任体制でのしかかる重圧との付き合い方をアドバイスした。

そして、日本代表がW杯で目標とする8強を実現するための策も伝授。「2002年(日韓W杯)ではトルコに、10年(南アフリカW杯)はパラグアイ、(18年の)ロシアでも夢は叶わなかった。進歩はしてると思うが、壁は破れない。不可能なチャレンジではないが、メンタルのタフネスを身につけるべき」と精神面の重要性を強調。また「強豪国には1人、2人とスタープレーヤーがいて難しい状況を打開できる。フランスにはジダンが、ブラジルにはロナウドがいた。過去10年間、日本にも優秀な選手はたくさんいたが、欧州でスターになれるレベルではなかった」と欧州で活躍する大エースの出現が鍵を握ると指摘した。

名将の金言を生かして、森保ジャパンは躍進を遂げられるか。

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