「おうち花見」は酒より料理 “ちょっと豪華なお弁当” 商戦が過熱!

おうち花見が盛り上がる「お花見ロール寿司弁当-」(写真は3~4人用4900円)

1都3県の緊急事態宣言解除と桜の見ごろが重なり、都内の感染状況に専門家が懸念を示す中、コロナ禍で迎える2度目の花見シーズンも、宴会は自粛で自宅で花見気分が主流になりそう。

酒類販売の(株)カクヤスが行った調査では、今年は花見をしない派45%で、する派32%を上回った。今年はするべきではないと45%の人が考えていて、おうちでちょっと豪華に…が今年流らしい。

具体的には自宅で桜の切り花を飾り、少しぜいたくな弁当を食べて、花見をした気分になるというもので、そうした需要に合わせ、百貨店の「松屋銀座」(東京・中央区)では「なだ万厨房」などワンランク上の弁当を販売。日本橋エリア(東京・中央区)でも約170もの飲食店が参加し、家での新たな花見体験を提案する弁当やスイーツが好評だ。

日本人にとって花見は春の一大イベントなので、宴会ができないのを残念に思う人もいるだろうが、悪いことばかりでもない。

「一般的に桜の木の下で料理をつまみながら酒を酌み交わす従来のお花見スタイルは、大勢で酒を楽しく飲むことが優先で、料理は二の次…なんてこともありました。ですが、家族などの少人数でこぢんまりとおうちでお花見気分を楽しむとあって、皆さん料理に集中する分、味にはシビアになるから、例年以上に気合が入った商品が各社から出揃っているのです」というのは、弁当などに詳しいフードジャーナリスト。

なかでも、食通に評判なのが、レストラン運営の(株)ノバレーゼが創作和食店の「SHARI(シャリ)」(東京・中央区)などで予約販売している「お花見ロール寿司弁当」。直径3センチのカラフルな一口サイズのロールずしで、桜の花や桜鯛、桜エビなど、春の食材を使った新作5種を含む、12種・36貫の折り詰めだ。

予約品の受け取りで来店した50代夫婦は「単に桜色、桜形などというのではなく、桜の花や葉を使うなどしていて口の中が桜満開になれそうで、お花見を自粛する分、プチぜいたくしました」と、うれしそうに語っていた。

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