ヤンキース監督 スタントンは「健康なら特別なシーズンになる」

ジャンカルロ・スタントン(ヤンキース)は4年前の2017年、マーリンズで159試合に出場して打率.281、59本塁打、132打点、OPS1.007という驚異的な成績を残し、MVPに輝いた。ところが、ヤンキース移籍後は1年目こそ158試合に出場して38本塁打を放ったものの、故障により2年目は18試合、3年目の昨季は23試合しか出場できなかった。アーロン・ブーン監督は「もし彼が健康なら特別なシーズンになるだろう」と期待を口にする。

ステロイド使用の噂がない選手で1シーズンに最も多くの本塁打を打った選手といえば、ロジャー・マリス(1961年に61本塁打)とベーブ・ルース(1927年に60本塁打)。その2人に続くのが2017年に59本塁打を放ったスタントンである。MVPを受賞した直後、2017年12月にマーリンズからヤンキースへ移籍してきたスタントンは、2018年に38本塁打、100打点を記録したものの、自己ワーストとなる211個もの三振を喫し、それ以降は満足に出場できないシーズンが続いている。

移籍後唯一健康に過ごした2018年も、ポストシーズンでは5試合で打率.238、1本塁打、1打点、OPS.654と低調。マーリンズ時代に13年3億2500万ドルという超大型契約を結んでいるため、スタントンは金額に見合う働きをしない「不良債権」として扱われることが増えている。しかし、昨年のポストシーズンではワイルドカード・シリーズから地区シリーズにかけて5試合連続本塁打(合計6本塁打)を記録。「健康ならば…」と夢を見させてくれる存在であることも事実である。

そんなスタントンについて、ブーンは「故障がなければ活躍できることを昨年のポストシーズンで証明してくれた。もし彼が健康なら特別なシーズンになるだろう。いろんな点でMVPを獲ったときよりも優れた打者になっていると思う」と語り、再びMVP級の活躍を見せることに期待を寄せている。2017年に新人記録(当時)の52本塁打を放ったあと、故障に苦しむシーズンが続くアーロン・ジャッジについても同様だ。

スタントンとジャッジの大砲コンビがMM砲(ミッキー・マントルとマリス)の再来になることを期待するヤンキース・ファンは少なくない。この2人が故障なくシーズンを過ごすことができれば、ヤンキースが2年ぶりの地区優勝、そして12年ぶりのワールドシリーズ制覇を成し遂げる確率はグッと高まるはずだ。

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