優美な古典芸能で魅了 島原城薪能、子ども狂言も

和泉流狂言「樋の酒」を演じる野村さん(右)ら=島原文化会館

 新型コロナウイルス禍で延期されていた島原の風物詩「島原城薪能」(同振興会主催)が20日、長崎県島原市城内1丁目の島原文化会館であり、笑いを誘う狂言や能のみやびやかな舞が約350人の観客を魅了した。
 薪能は島原藩時代に盛んだった伝統文化を後世に伝えようと、1983年に復活し38回目。例年は秋に島原城天守閣前で披露するが、新型コロナ感染拡大で延期。今回は恒例の薪能に代え「春の狂言会」として屋内での開催となった。
 第1部「肥前島原子ども狂言」では、市内外の幼児から高校生まで約30人が、小舞「鶴亀の舞」「柳の下」など計7演目を発表。有明海の海の恵みを題材にしたオリジナル狂言「釣ろうよ」では、体の動きと元気な声で滑稽にかわいらしく演じた。
 第2部では能楽師の野村万禄さんらによる和泉流狂言「樋(ひ)の酒」が披露され、観客を優美な古典芸能の世界にいざなった。

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