観光業回復へ「滞在型」推進 佐世保市アクションプラン策定

 長崎県佐世保市と佐世保観光コンベンション協会は、新年度から2023年度までの3年間で取り組む「観光アクションプラン」を策定した。新型コロナウイルスの影響で疲弊した観光業の回復を図るため、市中心市街地を起点に、九十九島やハウステンボス(HTB)などへの周遊や滞在型観光を推進し、観光消費額アップを目指す。
 同プランでは、国内は福岡県を中心とした北部九州の20~50代女性、海外は香港や台湾、上海、韓国などの旅行者を観光客誘致のメインターゲットに設定。新型コロナの影響が続く間は、北部九州を軸に集客の範囲を徐々に広げる。今年秋に国境をまたぐ旅行が再開すると見込み、海外からの誘客に力を入れる。
 重点的に取り組む事業案として「佐世保バーガーフェスティバル」の開催を計画。外国人バーがある市中心市街地では「基地の街」の飲み歩き文化の定着を図る。九十九島パールシーリゾートでは、マリンレジャーや海洋学習などの拠点化を進めるための施設整備を検討。HTBとほかの観光地を組み合わせた旅行商品も企画し長期滞在を促す。
 周遊の移動手段として、パールシー、佐世保駅、展海峰、九十九島観光公園を結ぶ予約制の「デマンドタクシー」の導入に向けた実証実験も予定している。23年の観光消費額の目標値は約1144億円と設定。19年の約862億円から約3割増を目指す。
 市は15日の市議会企業経済委員会協議会で同プランの内容を説明。中嶋康子観光課長は「観光業のV字回復を図りたい。スピード感を持って取り組む」と述べた。

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