てんかんに理解を 100人に1人の割合で発症 長崎県美術館で作品展

てんかん患者やその家族らがつくった作品を集めた作品展=県美術館

 てんかん患者やその家族らが作った芸術作品を集めた「てんかんアート展」が、長崎市出島町の県美術館で開かれている。4月4日まで。
 てんかんはけいれんや体調不調など、急な発作が起こる大脳の病気で、100人に1人の割合で発症するとされる。てんかんへの社会の理解を深めようと、てんかん専門医らでつくる「長崎てんかんグループ」の協力で、国立病院機構長崎医療センターが企画。紫色のものを身に着ける世界的てんかん啓発キャンペーン「パープルデー」(3月26日)にちなみ、2019年から毎年開催している。
 人気漫画「鬼滅の刃」のキャラクターをあしらった折り紙アートや、絵の具で手形を押した作品など計86点が並ぶ。長崎医療センターのてんかんセンター長の小野智憲さん(48)は「同程度の有病率の認知症や脳卒中と比べ、てんかんはまだ認知度が低く、偏見をもたれがち。社会で支えられるよう、作品展などを通しててんかんへの正しい知識を持ってほしい」と話した。26日夜は、長崎市の稲佐山山頂の電波塔と女神大橋が紫色にライトアップされる。

© 株式会社長崎新聞社