堀潤も被害に…多くの作家を悩ませるギャラリーストーカーの実態

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。3月5日(金)放送の「オピニオンCROSS neo」では、「毎日新聞」ニュース配信動画「まいもく」MCの中嶋真希さんが女性作家を悩ませる“ギャラリーストーカー”について述べました。

◆女性作家が悩むギャラリーストーカーとは?

「ギャラリーストーカー」とは、ギャラリーで絵や写真などを展示する女性作家に性的な言葉をかけたり、しつこく食事に誘ったり、長時間話しかけて作家を独占したり、体を触るなどの迷惑行為をする人のことで、「多くの女性作家が悩まされている」と中嶋さん。

そんななか、「自撮り熟女」と名乗り、昭和風のセルフポートレートを発表している写真家のマキエマキさんは「展示会場でモデルや女性作家に粘着したり、食事に誘うのはやめてください」とTwitterで発信。彼女は2016年に初めてポートレートを展示したときからギャラリーストーカーの被害に遭っているそうです。さらに、一緒にグループ展を開いた他の女性作家も同じような被害に遭ったそうで、酷いときはギャラリーにいられず、途中で切り上げてみんなで帰らなくてはいけないこともあったと実例を挙げます。

こうした行為はセクハラであることはもちろん、「作家のチャンスを奪う行為でもある」と憤る中嶋さん。マキエさんも「作家は作品を売るために出店料を払い、作品を展示している」と語っていたそうで、「せっかく作品を知ってもらうためのチャンスなのに、ギャラリーにいられなくなるなど、例えば作品を買いたいという人が声をかけられなくなってしまう」と危惧。

◆ギャラリーストーカーへの対応策は?

しかし、ギャラリー側も看過しているわけではなく、東京都・板橋区の画廊喫茶「カフェ百日紅」では作家に嫌がらせをする客に毅然と対応。女性店長でイラストレーターの目玉堂さんは、「女性がエロティックなアートを楽しめないのはおかしい。性別に関係なくアートを楽しめる空間にしたい」との思いでお店作りをしています。「ほとんどのお客さんが紳士的なのに、ほんの一部の人のせいでみんなの居心地が悪くなってしまう、と話していた」と彼女の言葉を代弁。

「カフェ百日紅」で、具体的にどんな対応をしているかと言えば、ギャラリーストーカーには「これ以上失礼なことを言ったら警察を呼ぶ」と伝えたり、再度入店できないようお客さんを注視したり、作家が長時間付きまとわれているときには嘘で買い物を頼み、引き離すなど、さまざまな対策を講じています。目玉堂さんも作家への卑劣な行為に対して「相手を人間と思っていないんじゃないか」と怒りつつ、もしそういう場面を見かけたときには周囲の人も女性作家を助けてほしいと言及しています。

こういった行為はジャンルに関係なく起きているそうで、中嶋さんは「男女関係なく平等に作品を知ってもらう機会が失われてしまう。平等に発表できる場を作れるようになってほしい」と訴えます。

MCの堀潤も過去に展覧会を行った際にギャラリーストーカーに遭い、お店の方に裏から逃してもらった経験があるそうで、中嶋さんによると女性の方が性的な被害が多いものの、「男性も被害に遭うことがある」と断言。

また、拓殖大学非常勤講師の塚越健司さんは、知人が被害に遭い、仲介したことがあることを明かし、「本当に腹が立つ」と憤慨。そして、「(被害に遭っても)本人は言えない。だから大変で、(気づいた)周りの人が助けに入ったほうがいい」と主張。

キャスターの宮瀬茉祐子も「場の空気を壊してはいけないと優先してしまうと、なかなか声が上げられないと思う。それはサービス精神からくるものだけど、ときには戦わないといけないこともあると思う」と話していました。

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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/
番組Twitter:@morning_cross

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