大人びた歌を歌う少女 教師目指す少年 僻地の村での初授業 「ブータン 山の教室」本編映像

「ブータン 山の教室」の写真を見る

ブータンの秘境ルナナ村に都会から赴任した若き教師と村の人たちや子どもたちの心の交流を描いた映画「ブータン 山の教室」から、本編映像が公開となった。

公開されたのは、僻地の学校に渋々ながら赴任した若き教師のウゲンが、最初の授業を行うシーン。ウゲンから自己紹介を促された少女ペム・ザムは、「歌手になりたいです」と話す。歌を聞かせるように言われたペム・ザムは、「そこの彼、こっちにおいでよ。私とつきあっちゃえば?」と、大人びた歌詞の歌をニコニコしながら歌う。ウゲンが次に指名した少年・サンゲは「将来は先生になりたいです」「先生は未来に触れることができるからです」と答える。実は教師を辞めてオーストラリアで歌手になることを密かに夢見ていたウゲンは、複雑な表情を浮かべる。

本作は、実際にルナナ村にある学校で撮影し、生徒役は村に住む子どもたちが演じている。学級委員として登場するペム・ザムについてパオ・チョニン・ドルジ監督は、「ペム・ザムが出ているシーンすべてが一番印象的だった」と振り返り、「彼女はどれほどの美しさ、無邪気さをこの映画にもたらしてくれたか」と絶賛している。今回公開された本編映像の最後には、ペム・ザムと監督が初めて会った日に、ペム・ザムが監督の前で歌った時の映像が収められている。

「ブータン 山の教室」は、ブータンの秘境ルナナ村に都会から赴任した若き教師と村の人たちや子どもたちの心の交流を描いた作品。監督を務めるのは、写真家としても活躍するパオ・チョニン・ドルジ。本作が長編デビュー作となる。ブータン民謡が響きわたるルナナで暮らす実際の村人たちを登場させ、大自然とともにある日常に幸せを見つけて生きる大人たちや、親の仕事の手伝いをしながら“学ぶこと”に純粋な好奇心を向ける子どもたちの姿を映像美で描き出し、第93回アカデミー賞国際長編映画賞のブータン代表に選出された。

【作品情報】
ブータン 山の教室
2021年4月3日(土)より 岩波ホール他にて全国順次公開
配給:ドマ
(c)2019 ALL RIGHTS RESERVED

© 合同会社シングルライン