【フィギュア世界選手権】3位・羽生結弦「疲れました」 試合後は6度も“4回転半” を口に

華麗なスピンも見せた羽生だが…(ロイター)

フィギュアスケートの五輪2連覇・羽生結弦(26=ANA)が27日、かねて目標に掲げてきた人類初のクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)への挑戦を改めて口にした。

この日、世界選手権(スウェーデン・ストックホルム)男子フリーでジャンプミスを連発して3位に転落。3年負けなしの王者ネーサン・チェン(21=米国)に逆転Vを許しただけでなく、初出場で2位に入った鍵山優真(17=星槎国際横浜)にも敗れた。

失意の羽生は試合直後に「疲れました」と第一声。その後、敗因について「自分のバランスが1個ずつ崩れていった。ホントに一つひとつ全然、自分らしくないジャンプが続いた」と話した。

しかし、その後は人生を懸けた「夢」を何度も口にした。今後について質問が及ぶと「とりあえず次の試合はどうなるか分からないですけど、時間があるのであれば4回転半を早く練習して、まずは着氷させて、完成度を上げて試合に組み込められるようにしたいなっていうのが今の目標です」とキッパリ。

さらに、その後のメダリスト会見でも「ここに来るまでに4回転半の練習をたくさんしてきて、体もかなり酷使してきたと思ってるので、しっかり休むっていうことも考えていますが、早く4回転半の練習をして、誰よりも早く4回転半を公式で綺麗に決める人間になりたいです」と話した。この日、羽生は合計6度も「4回転半」のワードを口にした。

今大会は4回転半をプログラムに組み込んで練習を行ってきた。ただ、最後まで調整が仕上がりきらず、現地入りの3日前に断念を決めた。試合後、記者団から「トリプルアクセルの失敗は4回転半の練習が影響したのか?」との質問も飛んだ。

すると羽生は「もちろん4回転半をやってるっていうのもあるんですけども、それよりもバランスがどんどん崩れていっている状態の中で、何かうまく自分の平衡感覚というか、最後まで軸をうまく取り切れていなかったのかなっていう感じがしています」と説明した上で「あんまり大きな問題があったとは思っていなくて、ほんのちょっとずつ崩れていったただけ」と自己分析。4回転半の練習による弊害は否定した。

世界王者には返り咲けなかった羽生。27歳となる五輪シーズンへ、意地と誇りを懸けて大技に挑む。

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