猛虎「開幕3連勝」の原動力は外国人選手の〝生存競争〟

8回、3ランを放ったサンズ

阪神がヤクルト相手に開幕3連勝を決めた28日は、昨季以前から在籍している外国人選手たちが「俺も、俺も」と大暴れした。

先発右腕・ガンケルが6回3安打無失点なら、3番・マルテは1号ソロ、5番・サンズは3号3ランを放つなどで、8―2の圧勝。文句のつけようのない開幕ダッシュに矢野監督も「去年は去年で終わったこと。目の前の試合を全力で戦ったなかでの3連勝」とドヤ顔だった。

開幕3連勝の原動力となったのは、この日出番のなかった昨季のセーブ王・スアレスも含めた助っ人勢。3連戦中は登録された4人全員が、それぞれ期待通りの働きを見せたことが大きい。

とはいえ猛虎の場合は現時点で助っ人を取り巻く環境が、他チームよりハイレベル。他球団のように「来日・合流待ち」だけでなく「結果を残さないと4月中に二軍降格の可能性」すらあり、これが現在の稼働中の助っ人勢の発奮材料にもつながっている。

28日現在、ラウル・アルカンタラ投手(29)、メル・ロハス・ジュニア外野手(30)の2人の来日待ちの状況で、二軍には昨季ロッテに在籍したベテラン左腕のチェン・ウェイン(35)や、昨季23試合に登板した中継ぎ右腕のジョン・エドワーズらが控えている。

とりわけ、アルカンタラとロハスの2人は、昨オフに他球団との争奪戦の末に獲得に成功した超大物。来日後にコンディションが整い次第、間違いないなく一軍起用される面々でもある。

開幕シリーズの殊勲者でもある来日3年目のマルテ、同2年目のガンケルやサンズの3人とて〝安泰〟はなく、今後もチームへの貢献度が落ちるようならば、開幕から1か月も経たない4月中でも「二軍再調整」が検討されるほどに、外国人選手の生存競争は過去に例を見ないほどに厳しい。

矢野監督が「今年のうちのウリは総合力」と話す、昨年にはない〝武器〟はこんな部分にも見え隠れしている。

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