「犯罪歴のある選手の加入は問題」サッカー・暴力問題で韓国移籍の道渕諒平への抗議拡大

道渕諒平

交際女性への暴力などが報じられJ1仙台を退団し韓国2部忠南牙山に加入したMF道渕諒平(26)に対する抗議活動が拡大している。

昨年10月に仙台から解雇された道渕は現役続行を模索して韓国へと渡り忠南牙山に入団。今季2得点を挙げるなど活躍しているが、現地では市民団体が「犯罪歴のある選手の加入には問題がある」として道渕を解雇するよう求める抗議活動が始まって物議を醸している。

こうした動きに対してクラブのイ・ウンジョン社長は「倫理的な部分を見落としていた。市民クラブの価値に反する加入だった」と謝罪しつつも「選手の放出は、法的な問題や残りの年俸を含む違約金を支払わなければならない問題がある。クラブの劣悪な財政条件を考慮すると放出は非常に難しい」と道渕の契約解除には違約金など多額の費用が発生するため否定した。

しかし問題は収束するどころかさらに拡大している。

韓国メディア「デーリートゥルース」によると、クラブの本拠地である忠清南道の議会で「堕落球団に対する血税でのサポートをやめるべきだ」との要求が出された。

市民クラブの忠南牙山に対しては忠清南道から5年間で100億ウォン(約10億円)が投入されているが、正義党のイ・ソニョン議員が問題視。「牙山FCは地域市民の反発があるのに、性的至上主義の(道渕)良平選手の放出を考えていない。こんな球団に大金を支援すのは疑問だ。市民球団として望ましくない」と支援の中止を議会で訴えたのだ。

これに対してヤン・スンジョ知事は「社会的に容認できない選手を獲得したのは明らかに問題がある。もし(暴行問題などを)知りながら(契約を)強行していたなら、明らかに誤った処置」と指摘したうえで支援の中止について「検討の必要がある」と応じた。

市民クラブの忠南牙山にとって“最大スポンサー”である行政からの支援が打ち切られれば経営のひっ迫は必至。道渕問題はクラブの存続危機につながる大騒動に発展しそうだ。

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