息詰まるロースコアの攻防を制したのは東海大相模(神奈川)だった。
明豊(大分)との決勝戦は劇的な幕切れ。2―2で迎えた9回、一死満塁とマウンドの京本真投手(3年)を追い詰め、3番・小島大河捕手(3年)の当たりは前進守備の遊撃手・幸修也(3年)を強襲した。ボールは幸のグラブを弾いて内野安打となり、三塁走者が歓喜の生還…。3―2とサヨナラで10年ぶり3度目の優勝を果たした。
先発の石川永稀投手(3年)と2番手の求航太郎(2年)が2失点と踏ん張り、同点で迎えた6回のピンチの場面でエース石田隼都投手(3年)が登場。連投を感じさせない投球で明豊の追撃の芽を断ち、9回のサヨナラ劇につなげた。
門馬敬治監督は「最後の最後までしぶとく、執念を持って戦った。後半まで押されて、そこを崖っぷちで踏み止まり、それが9回につながった。最後は石田と決めていた。すべての選手の力で勝利をつかむことができた」と感極まった。
主将の大塚瑠晏内野手(3年)が急性胃腸炎で戦列を離れ、紫紺の優勝旗を受け取ったのは主将代行を任せた二男・門馬功内野手(3年)。指揮官は「こんなうれしいことはない。聖地に一緒に来て、自分の息子が優勝旗を手にするというのは…。でもみんなで勝ち得たものですから」と少しだけ父親の表情を見せた。