独自動車のフォルクスワーゲンが、米国での社名を「ボルツワーゲン」に変更するというエイプリルフールネタを謝罪。日本でもコロナ禍で迎える2回目の4月1日は、ジョークも自粛気味だ。
芸能界では、タレントの叶姉妹が公式ブログで〝婚約発表〟をしたり、お笑いコンビ・ナイツの塙宣之が公式ツイッターで〝おぼん・こぼん解散〟と投稿したり…と、お約束のエイプリルフールネタで笑わせたが、企業側は昨年に引き続き慎重な姿勢を崩さない。
「コロナ禍以前の4月1日はエイプリルフールネタのリリースが各社から多数配信されてきたが、今年は少なめで内容もおとなしめ。モデルのKoki,が出演したイタリア高級ブランド、ヴァレンティノの帯踏みつけCMのように最近はすぐ炎上するので、4月1日とはいえ嘘は扱いづらいのが本音です」と、眉をひそめるのはWEB編集者。
その言葉を裏付けるように、プレスリリース配信サービスのPR TIMESは、〝素敵な嘘で楽しく〟というスタンスとは別に、企業などが嘘の代わりに〝夢〟を発信するプロジェクトを昨年から立ち上げ、今年も多くの企業が参加している。
「かつては世の中的に嘘を楽しむ余裕があったが、コロナ禍にジョークなんて不謹慎という意見も…。炎上により企業イメージが低下し、不買運動に発展するなどの恐れもあり、神経質にならざるを得ないのです」(流通業界に詳しいアナリスト)
そんな中でも果敢にチャレンジし、罪のない嘘で笑わせてくれる企業もある。神奈川・厚木市のクラフトビールメーカー、サンクトガーレンは動物の糞からとったコーヒー4種を使用した黒ビール「うん、このブレンド黒」、福島・いわき市のリゾート施設、スパリゾートハワイアンズは世界初の地下テーマパーク「チカリゾートハワイアンズ」を、それぞれ発表している。
なかでも、ネット上で「癒やされる」「売っていたら買いたい」などと好評なのが、サンドイッチチェーン「サブウェイ」の「ほっこり猫サンド」。同社のウリである野菜を抜いた史上初のサンドとのことで、写真を見るとパンのクッションに挟まれて気持ちよさそうな表情を浮かべる猫だった。
1日も早くコロナが終息して、エイプリルフールの嘘を楽しめるようになってほしいものだ。