菅首相側近ら「官邸で弁当」問題で坂井官房副長官が四面楚歌 自民からも「身内に甘い」の声

菅首相

坂井学官房副長官(55)は2日の衆院内閣委員会で、菅義偉首相(72)に近い自民党の無派閥議員グループ「ガネーシャの会」メンバー約10人と首相官邸で食事を伴う会合を開いた問題について「配慮が足りなかった」と釈明した。

同グループは坂井氏をトップに衆院当選4回以下の自民党議員で構成されている。坂井氏は1日に首相官邸で会合を開いたことが発覚した際、報道陣に「分かれて弁当を食べた。逆に何が問題なのか」と話し、物議を醸した。

加藤勝信官房長官(65)は坂井氏に「批判を生み得るような行為は厳に慎むべきだと言った」と厳重注意。公明党の石井啓一幹事長は会見で「役所内で政務の会合を行うことは控えるべきだ」と苦言を呈した。

自民党関係者は「『菅首相側近らによる官邸の私物化だ!』と猛批判されています。坂井グループは、各派閥の例会がある毎週木曜昼に議員会館に集まっていた。派閥的色彩の強い会合を官邸で開催するとは異例だし『勘違いしたのか』と言われています」と話した。

立憲民主党の枝野幸男代表(56)はこの日の会見で「(坂井氏は)なぜ辞任しないのか不思議だ。官邸で行う合理的な理由はない。当然辞めるべきだ」と怒りを爆発させている。

菅首相は厚生労働省職員23人が会食した問題で田村憲久厚労相(56)の監督責任を問う声に「膿を出して国民の信頼に応えるよう取り組んでほしい」と辞任の必要なしとの認識を示し、波紋を広げている。

「菅内閣は身内に甘い。国民の空気を受け止めきれていないのはマイナスです。党内の菅内閣への反発は強くなる一方で、長期政権は難しいでしょう」と自民党秘書は話している。

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