【新型コロナ】高齢者のワクチン接種にタクシー券配布 鎌倉市

市が高齢者に配布予定のタクシー利用券のサンプル(市提供)

 新型コロナウイルスワクチン接種を巡り、神奈川県鎌倉市は23日をめどに、集団接種の予診票と合わせ、65歳以上の高齢者全員に集団接種会場までのタクシー利用券を配布する。市が交通費を全額負担する県内初の取り組みという。関連費用は約2億5千万円。

 市は効率性などから当面、個別接種は行わず、集団接種のみとする方針。会場は市福祉センター(同市御成町)や三菱電機大船体育館(同市大船)など8カ所だが、最寄り駅から遠く、駐車場のない会場も多い。希望者が安心して接種できるようタクシー費の全額助成を決めた。対象となる65歳以上の約5万6千人は配られた利用券で乗車できる。

 タクシー券を巡っては市議会で賛否が真っ二つに割れ、関連費用を計上した一般会計補正予算の議論が紛糾。松尾崇市長は2日の定例会見で「会場に来るのが難しい方を選定するのは難しく、会場でスムーズな進行をするにはこの形が必要。タクシーでないと行けない人に利用してもらい、接種を強制するものではないと発信していく」と述べた。

 市は17日から高齢者施設入所者、5月中旬から65歳以上の高齢者の接種を開始予定。

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