2021年球宴開催地変更へ ジョージア州の投票制限法が影響か

日本時間4月3日、メジャーリーグ機構は2021年のオールスター・ゲームとドラフトの開催地をアトランタから変更することを発表した。アトランタのあるジョージア州では新しい投票制限法が成立し、「マイノリティ(少数派)の投票を妨げる可能性がある」と批判の声が上がっている。ロブ・マンフレッド・コミッショナーは「スポーツとしての我々の価値を示す最善の方法として、各方面との協議との結果、開催地変更を決定した」と述べている。

2021年のオールスター・ゲームは7月13日(現地時間)にブレーブスの本拠地トゥルイスト・パークで行われる予定だった。また、史上初めてドラフトがオールスター関連のイベントのなかに組み込まれ、7月11~13日(現地時間)に行われる予定だったが、こちらも開催地が変更される。今年1月に亡くなったハンク・アーロンの功績を称えるイベントは新たな開催地でも行われる予定。マンフレッドは「新たな開催地は最終決定の段階にある。まもなく発表できる予定だ」と述べている。

ドジャースの共同オーナーの1人であるマジック・ジョンソンは「ロブ・マンフレッド・コミッショナーが新しい投票制限法の成立後、オールスター・ゲームの開催地をアトランタから変更する決断をしたことに拍手と感謝の意を表したい」とツイートし、開催地変更の決断を歓迎。ドジャースのデーブ・ロバーツ監督がジョージア州の新しい投票制限法を批判するなど、ジョージア州への批判の声は球界でも高まっており、開催地変更の決断は好意的に受け止められている。

なお、メジャースポーツにおける主要イベントの開催地変更は前例がないわけではない。過去には2017年のNBAのオールスター・ゲームの開催地がシャーロットからニューオーリンズに変更(ノースカロライナ州における州内の反差別保護を制限する法律に抗議)されたり、1993年のNFLのスーパーボウルの開催地がフェニックスからパサデナに変更(アリゾナ州の有権者がマーティン・ルーサー・キング・ジュニア・デーを有給休暇としない選択をしたことに抗議)されたりしたケースがある。

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