春夏連覇目指す東海大相模にスーパー1年生 父は大洋戦士、お化けスライダー&135M弾

この4月から東海大相模高に進む山内教輔投手【写真:小谷真弥】

武蔵狭山ボーイズ出身の山内教輔は4月から選抜Vの東海大相模高へ進学

今夏の高校野球で注目されるのが武蔵狭山ボーイズ出身の山内教輔投手だ。柔らかなバットコントロールから飛距離135メートルをかっ飛ばすパワーと、“お化け”と評されるスライダーを武器とする最速138キロ左腕。Full-Count編集部は武蔵狭山ボーイズに所属していた3月中に直撃取材。この4月から選抜高校野球大会で10年ぶりに全国制覇した東海大相模高に進む15歳の二刀流に迫った。【小谷真弥】

とても15歳のパワーとは思えない。山内は身長177センチ、体重78キロ。まだまだ成長しそうな肉体をしなやかに使って快音を飛ばす。右翼90メートルの位置に高々とそびえ立つ高さ30メートルの防球ネットも超えて、近隣施設に直撃してしまうほどだ。

「いつも監督から『ネットを超えたら弁償だぞ』と冗談で言われたりしていました。高校では1年生からスタメンを勝ち取って、甲子園は1年夏から全部出たいです。甲子園で優勝することが目標です」

エンゼルス・大谷翔平投手とそっくりの生い立ちだ。父・英雄さんは横浜大洋ホエールズに所属した元プロ野球選手で、母・牧子さんは元体操選手で国体出場歴を持つ。教輔は男5人兄弟の四男として生まれた。「お兄ちゃんに負けないように、追い越せるように練習してきました」。6歳離れた三男・啓輔さんら兄たちに追いつけ追い越せで白球を追ったという。育った環境は父と兄が社会人野球の選手、母がバドミントンの国体選手だった大谷とそっくりだ。

投げては最速138キロ、打っては中学通算33本塁打をマーク【写真:小谷真弥】

元大洋の父・英雄さん「中日の福留孝介選手みたいになってくれればいい」

父・英雄さんは1軍登板こそかなわなかったが、引退後に広岡達朗氏、中西太氏らプロ野球OBの講習会などに参加。2009年WBCでは中国、台湾を相手に打撃投手を務めた。そんな父からの学びは大きい。「小学校6年生の時に『バットを内側から入れろ』と言われました。それまで力んでしまって飛距離も出なかったんですけど、バットをしならせる感覚を出てきました」。中学通算33本塁打をマークし、打率も4割を超えるハイアベレージを残した。英雄さんは「私よりいい選手だと思います。一発もあるし、打率も残せる。野手なら中日の福留孝介選手のような打撃が理想」とエールを送る。

投手としては「お化けスライダー」を持つ天才サウスポーとしてテレビ番組にも出演。高校進学時には甲子園常連校など40校を超える高校からスカウトされた。ハートも熱い。「周りにはすごい選手がたくさんいて、自分はまだまだと思っています。小野勝利くんのパワーには自分も刺激を受けています。5人兄弟で親に苦労させている。自分がプロになって親を楽にしたいです」。

将来の夢もはっきりしている。「大谷翔平選手みたいになりたいです。父が大洋ホエールズだったのでベイスターズか、スワローズJr.だったのでヤクルトでプレーできればと思います。投球より打撃が得意だと思っているので、プロで本塁打王を取ってみたいです」。今夏から注目の逸材だ。

◆山内教輔(やまうち・きょうすけ)2005年10月25日、埼玉・和光市生まれ。小学1年から白小クラブで本格的に野球を始め、小学6年時にスワローズJr.でプレー。武蔵狭山ボーイズでは1年秋から4番を打ち、2018年ボーイズ選手権で準優勝。ジャイアンツカップのベスト8進出に貢献した。高校進学を見据えて外野手にも挑戦中。好きな芸能人はティモンディ。「テレビ出演で緊張していた時によく話しかけていただいた。もっと好きになりました」。身長177センチ、体重78キロ。血液型はO型。好きな食べ物は焼き肉(豚肉)。左投げ左打ち。

【動画】東海大相模に進学するスーパー1年生の“お化けスライダー”

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(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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