神奈川・南足柄の「アサヒビール神奈川工場」、見学業務を終了 コロナで休止、老朽化で決断

見学業務を終了したアサヒビール神奈川工場=南足柄市怒田

 南足柄市の重要な観光拠点となっているアサヒビール神奈川工場(同市怒田)がこのほど、見学業務を終了した。新型コロナウイルス感染症の影響で昨年2月から休止していたが、アサヒグループホールディングス(HD)によると、施設の老朽化などを受け再開せず終了を決めた。市は「誘客の要だっただけに非常に残念」と話している。

 同工場は2002年の操業開始以来、醸造や缶・びんへの充填(じゅうてん)などビールの製造過程を見学したり、ビールを試飲したりでき、延べ約250万人が訪れた。19年には約12万人が見学に訪れ、同ビール工場の中でも人気の施設の一つだった。

 しかし、新型コロナの影響で同工場を含む全国8カ所の工場見学は休止に。今月1日にホームページ上で、同工場と四国工場(愛媛県西条市)の見学業務終了を発表した。同HDによると、神奈川工場では主に見学者通路からガラス越しに見学を行い、老朽化した箇所を修繕して維持してきた。だが、見学休止を機に改めて施設の在り方を検討した結果、「来場者の十分な安全を確保するのが困難」と判断したという。

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