【東京五輪】IOCが露骨な “松山英樹フィーバー” 便乗 身内は「逆効果になる」と危機感

マスターズ制覇の偉業を成し遂げた松山英樹(ロイター)

松山フィーバーの便乗に〝待った〟がかかった。新型コロナウイルス感染拡大で今夏の東京五輪の開催がピンチを迎える中、松山英樹(29=LEXUS)がアジア人初となる海外メジャー「マスターズ」を制覇。この快挙を受けて、国際オリンピック委員会(IOC)の公式ツイッターは「日本の旗手は誰になると思いますか? マスターズチャンピオンの松山英樹さん、(女子テニスの)大坂なおみさん、それとも他の誰か?」と投稿した。

IOCは競泳の池江璃花子(20=ルネサンス)が女子100メートルバタフライで優勝して五輪内定を決めた際もツイッターで「彼女はやりました!」と迅速に反応。日本人選手が活躍するたびに五輪開催の機運醸成を図ってきたが、この動きに対して五輪競技団体関係者は「あからさまに利用すると逆効果になる」と警鐘を鳴らしている。

現在の五輪を取り巻く状況は厳しさを増すばかり。コロナ第4波の影響は深刻で、すでに大阪府全域で公道での聖火リレー(13、14日)の中止が決定した。さらには皮肉にも松山の優勝に沸き返る地元の愛媛・松山市も公道でのリレー実施(21日)を取りやめる意向を示した。

前述の関係者は「今はコロナ対策を粛々と行う時期。松山選手と池江選手の活躍とは切り離し、変にあおらないでいただきたい」と困惑を隠せない。

ネット上ではいまだ五輪開催に否定的な意見が多い。日本人が活躍する今だからこそ、冷静な対応が必要ということか。

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