【九スポ特別企画①】コロナ禍にもがいたHKT48 地方グループだからこそできた「挑戦」と「踏み出す勇気」

田島芽瑠、田中美久、森保まどか

東京スポーツグループの朝刊紙「九州スポーツ」は令和3年4月13日発行で節目の2万号となった。そんな記念すべき日に、今年10周年を迎える福岡・博多を拠点に活動するアイドルグループ「HKT48」の田島芽瑠(21)、田中美久(19)、森保まどか(23)のインタビューを2回にわたってお届けします。前編はコロナ禍で従来の活動ができない中での葛藤、地方を拠点に持つグループだからこそ挑戦したこととは――。

――九州スポーツは創刊55年目にして2万号。HKT48も今年は節目となる結成10周年を迎える

森保 1期生として周年公演をやるたびに人数が増えていって、ステージが狭くなって(笑い)。今では立つのも精一杯な感じなんですけど、それがなんだかうれしくて、誇らしい気持ちでいっぱいです。

田島 私は2期生で9年目ですけど、若い子が大きくなっていくのを見守ったりなんか親みたいな気持ち(笑い)。10年でいろいろ変わっていく姿を見てきたので、本当に感慨深いですね。

田中 私は3期生で8年目。周りを見れば自分も先輩の方になってきて。周年公演をやらせていただくたびに、グループへの思い入れが強くなっていきますね。

――昨年11月に新劇場「西日本シティ銀行 HKT48劇場」が、PayPayドーム横の複合施設にオープン。一方で、昨年はコロナ禍で従来の活動が難しかった

田島 ファンの方と会えないのは悲しかったんですけど、自分たちにできることを考える日々。東京などからリモートでインタビューを受ける機会も増えて、HKT48としてリモートでのお芝居に挑戦させていただりした。

――模索した

田島 今までは福岡と東京ではどうしても距離があって、何かあっても東京から呼ばなきゃいけなかったり、私たちが東京に来かなければいけなかった。地方グループは距離に悩まされてきました。でも、リモートのお仕事や取材はコロナ禍だからこそ見つけられたのかなと思う。地方グループとして、ネックになっていた距離のカベを乗り越える機会ができたと前向きに思ってます。

――オンライン演劇プロジェクト「HKT48、劇団はじめます」を立ち上げ、今年2月に旗揚げ公演を行った

田島 リモート演劇ということで、福岡から、もっといえばメンバーの自宅から演劇をお届けすることができた。コロナ禍になった当初は、みんな「家で何をすれば…」と悩んでいた。でも、その中でできることを見つけて、エンタメとして演劇をお届けできたのが私はすごくうれしかったです。「こういう道もあるんだな」と学ばさせてもいただきました。

――グループの新たな魅力にもなった

田島 演者だけじゃなく、プロデュースや演出など裏方を含めメンバーだけで作る企画。一からここまで作り上げることはなかった。メンバーみんなで作りあげて個々のエネルギーも強まった。編集ができる子がいたり、衣装が作れる子、脚本を書ける子や演出できる子が増えたり。今後に生かしていきたいし、一歩踏み出す勇気みたいなものはみんな持ったのかなと思います。

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