多様な取り組み評価 鳥取こども学園表彰 石井十次賞

石井十次賞の賞状を贈られる藤野興一理事長=14日午後、高鍋町・たかしんホール

 児童福祉分野で功績のあった個人・団体をたたえる第30回石井十次賞の贈呈式(石井十次顕彰会主催)は14日、高鍋町のたかしんホール(町中央公民館)であった。鳥取県で児童養護施設や乳児院などを運営する、社会福祉法人・鳥取こども学園(鳥取市、藤野興一理事長)に賞が贈られた。鳥取こども学園
公益財団法人 石井十次顕彰会
 同学園は1906(明治39)年、社会事業家の尾崎信太郎らが創設した鳥取育児院が前身で、全国に先駆けて高校全入運動などに取り組んだ。近年は退所後のアフターケアや、ニート、引きこもりの就労、里親への支援なども行っている。
 式では、同顕彰会の萱嶋稔理事長がこうした多様な取り組みを評価し、「十次の精神を受け継ぎ、発展させた」と式辞。選考経過報告の後、賞の贈呈があり、藤野理事長(79)は「社会的養護に関わる者にとってノーベル賞に匹敵する賞。職員や子どもたちと喜びたい」と礼を述べた。
 式は十次の誕生日(11日)ごろに毎年開催。続けて生誕記念式典があり、周囲に勇気や感動を与える活動をした町内の小中高生を表彰する「第6回なわのおび賞」の贈呈や、児童生徒による意見発表などがあった。

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