ハマっ子の足、路面電車 半世紀前の生活感を今に 横浜市電保存館で写真展

半世紀前の生活感を今に伝える路面電車の写真が並ぶ会場=横浜市磯子区の横浜市電保存館

 ハマっ子の足として親しまれながら1972年に廃止された路面電車「横浜市電」を振り返る写真展が、横浜市電保存館(同市磯子区)で開かれている。道路を走る電車の姿とともに、お客や運転手らの表情も活写され、半世紀前の生活感を今に伝えている。

 市営交通100周年を記念し、2カ月ごとに内容を変えながら来年3月21日まで開催する。現在のテーマは中区山元町にあった終点で、1970~71年に撮影された白黒写真21枚が路線図と共に展示されている。

 アーチ橋の打越橋をくぐる電車、言葉を交わす乗務員と乗客、終点の傍らで瓶の牛乳などを商っていた売店…。同区に住む会社経営の竹中洋一さん(66)が、高校1年の時に自ら撮影、現像した力作だ。「今、保存館のある場所にはかつて市電の車庫があり、通い詰めた」と懐かしむ。

 ライトをともした市電の夕景に見入っていた川崎市の男性(73)は「路面電車で通学した学生時代を思い出した」と話していた。

 午前9時半~午後5時。月曜休館。高校生以上300円。展示には、市電の記録活動を行う市民グループ「しでんの学校」が協力した。内容は動画投稿サイト「ユーチューブ」の同館公式チャンネルで配信中。問い合わせは同館電話045(754)8505。

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