伝統工芸品「根付(ねつけ)」の研究家としても知られる高円宮妃久子さまが旅先で撮影した根付の写真とコレクションの特別展示が21日まで、横浜市中区の三渓園で行われている。
「旅する根付 高円宮妃殿下写真展と現代根付コレクション」は2018年に横浜美術館(同市西区)で初開催された。盛況を受け、今年は三渓園内の市指定有形文化財・鶴翔閣で開催することになったという。
根付は、江戸時代に巾着(きんちゃく)や印籠(いんろう)、たばこ入れなどを着物の帯から下げるために取り付けた留め具。木や象牙など自然の素材に精巧な彫刻が施されている。
会場には、国内外の作家が手掛けた根付の写真43点を展示。“モデル”となった根付の実物も並べられており、「手のひらの上の小宇宙」ともいわれる根付の魅力を存分に楽しめる。
初日はセレモニーが行われ、久子さまは「根付は持ち主と一緒に旅をするのが常だった。新型コロナウイルスの感染拡大により、自由に旅することができなくなった中で、この根付を見ながら“旅”をして」とあいさつ。林文子市長ら関係者に展示品を紹介した。
観覧には三渓園の入場料が必要。大人(高校生以上)700円、小中学生200円。問い合わせは特別展示事務局電話045(661)0622。