九州高校野球 大崎 名門倒して上位へ

攻守両面でチームを引っ張る大崎の村上=西海市、大島若人の森野球場

 ほろ苦い初陣となった春の甲子園。今大会は県内外に再び強さを示す好機と言える。初戦でぶつかる興南は2010年に春夏日本一を果たした名門。上位進出へ勢いをつけると同時に、清水監督は「しっかりと自分たちの課題を出せるような、貴重な経験にしたい」と選手たちの奮起を促す。
 甲子園からメンバーはほぼ変わらない。テンポよく試合をつくる右のエース坂本、将来性豊かな左腕の勝本ら投手陣の粘りが勝利の絶対条件。昨秋の九州大会は全試合2失点以内と安定していたように、今回も守備から流れをつかみにいく。投手陣に低めの制球力があるだけに、内野陣の打球処理も重要。村上、村田の二遊間を軸に確実にアウトを積み重ねたい。

 投手陣をリードする調は攻撃でも要。スイングスピードは全国の強打者に劣らず、一振りで試合を動かす力がある。興南は好左腕を擁するため、調をはじめ、池田、乙内、松本ら右の好打者に加えて、左の村上、田栗、山口らがいかに攻略できるか。機動力も絡めて泥くさく得点を狙う。
 1961、2019、20年秋に続いて4度目の九州大会で春は初めて。主将の秋山は「甲子園は自分たちの弱いところが出て負けた。しっかりと練習はしてきたつもり。挑戦者として全員で戦いたい」と闘志を燃やす。


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