芭蕉布工房が倉敷民藝館賞 平良敏子さん原点の地

 民芸品の制作などの分野で将来の活躍が期待される個人・団体に贈られる第14回「倉敷民藝館賞」に、人間国宝の平良敏子さん(100)が主宰する大宜味村の芭蕉布織物工房が決まった。岡山県倉敷市の倉敷民藝館で24日に贈呈式が行われ、特別企画展「もうひとつの芭蕉布物語~芭蕉布織物工房の仕事~」も開かれる。

 平良さんは戦時中に女子挺身(ていしん)隊として倉敷に滞在した際、倉敷紡績社長の大原総一郎氏と出会い、戦後、織りを本格的に学んだ。同館初代館長の外村吉之介氏との交流もあった。「沖縄に帰ったら、沖縄の織物を守り育ててほしい」。両氏の言葉に胸を打たれ、芭蕉布に取り組む原動力となった。

 今回の受賞は、芭蕉布織物工房が芭蕉布の制作だけでなく、ワークショップを実施する継承活動にも努めていることなどが評価された。平良さんは「民藝協会の方などの言葉に励まされ今に至っている。この賞はありがたい」とコメントした。

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