「MICE人材」育成プログラム開始 長崎大連携、若い感覚でブランド力向上へ

MICE施設「出島メッセ長崎」を活用したイベントなどを企画・運営する人材の育成を目指すプログラム=長崎市片淵4丁目、長崎大片淵キャンパス

 長崎市は今月、長崎大の学生を対象に、11月開業のMICE(コンベンション)施設「出島メッセ長崎」を活用した事業企画や運営を担う人材育成プログラムを始めた。国際感覚や発想力、コミュニケーション力などを備えた「MICE人材」を育て、将来的に同施設の運営などで活躍してもらう狙い。学生は講義や実習に取り組みながら、11月の開業関連イベントを一から作り上げる。
 出島メッセ長崎は3千人を収容するコンベンションホールや、イベント・展示ホール、大小24の会議室などを備え、九電工やMICE専門業者「コングレ」などが出資する「ながさきMICE」が運営。年間に775件の学会や展示会などを開催し、国内外61万人の利用を目指す。
 人材育成プログラムは市とながさきMICE、長崎大が連携して実施し、経済学部の赤石孝次教授が受け持つゼミの2、3年生26人が参加。MICE施設の意義や経済効果などの基礎知識を学びながら、グループワークを通じて11月中旬の開業イベントの一部を企画、運営する。
 講師はコングレの国際業務アドバイザー、釘田明子氏らが担当。19日の第2回講義で釘田氏は「長崎市は観光都市のブランド力はあるが、MICE都市としての国際的なブランド力はこれから。世界中に競争相手がいる中で、誰に、何を発信したらブランド力を高められるか若い感覚で考えてほしい」と求めた。今後、具体的な学生イベント内容の検討を進める。
 受講している同大2年の上野裕也さん(19)は「地域の活性化を目指す仕事に興味があり、MICEによって長崎がどのように発展していくのか楽しみ」と語った。

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