”認知症”アンソニー・ホプキンス 介護人を泥棒と決めつけ 「ファーザー」本編映像

本年度アカデミー賞6部門にノミネートされている映画「ファーザー」から、本編映像が公開された。

公開された本編映像は、父アンソニー(アンソニー・ホプキンス)の介護人をしていたアンジェラから「暴言を吐かれたためやめたい」と連絡を受けたアン(オリヴィア・コールマン)が、父のアパートにやって来るシーン。何があったかを問うアンに、「あんな女、何も頼んじゃいない。誰の助けも必要としておらん」と突っ放すアンソニー。さらに、アンジェラが腕時計を盗んだと主張し、ワナにかけるために腕時計を出しっぱなしたと語る。だが、アンから腕時計を出した場所を聞かれたアンソニーは、「覚えとらん、だがどこにもない、それが盗んだ証拠だ」と決めつけるのだった。

アパートの美術を担当したのは、アカデミー賞美術賞にノミネートされているピーター・フランシス。「タイタニック」「ロケットマン」などを手掛けてきたフランシスが、現実と幻想の境界が曖昧になるアンソニーにとって、時に居心地がよく快適だが、時に冷たく見慣れない場所に変化するアパートを美術で表現している。

「ファーザー」は、歳を重ねることによって誰もが経験する喪失と親子の愛を、記憶や時間が混迷していく父の視点で描いた作品。フランス演劇界最高位のモリエール賞で脚本賞を受賞した、フランス人の劇作家フロリアン・ゼレールの舞台を原作としている。原作舞台は、パリ、ロンドン、ニューヨークなど世界30カ国以上で上演され、日本でも2019年に橋爪功、若村麻由美によって上演された。映画化にあたっては、ゼレール自身が長編初監督作としてメガホンを取っている。

【作品情報】
ファーザー
2021年5月14日 TOHOシネマズ シャンテ他 全国ロードショー
配給:ショウゲート
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