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宮崎市清武町の国指定天然記念物「清武の大クス」保全に向け、同市は新たな対策に乗り出す。樹齢約900年とされる大クスは、台風被害の影響で根や幹の一部が朽ちた状態。枝折れや幹が裂けるなど、これ以上被害が拡大しないよう、ワイヤや支柱を設置する。
市文化財課によると、大クスは樹高35メートル、幹回り12.3メートル、根回り18メートル。船引神社境内にあり、1993年の台風で周囲のスギが倒れた際、南側の根が一緒に掘り起こされて生育状態が悪化した。根や幹の強度不足が不安視され、幹にある亀裂は近年拡大。土壌改良や肥料を与えるなどし、樹勢は回復傾向にあるため、枝葉の重みが増したことも影響しているという。
同神社や地域住民による被害拡大防止策の要望も受け、同市は樹木医による調査を早ければ夏ごろに開始する。荷重のバランスを考慮するなどし、来年度にはワイヤや支柱で支える計画。
同神社の田代敏徳宮司は「大クスは地域のシンボルで、ご神木としても親しまれている。台風シーズンは毎年心配なので安心できれば」、同課は「少しでも早く対策を進め、重要な文化財を守っていきたい」としている。