美郷クリ秋向け新作意欲 世界的パティシエ青木さん

美郷町を訪れ、同町産のクリの魅力を語るパティシエの青木定治さん

 世界的に有名なパティシエの青木定治さん(52)が23日、美郷町産のクリを使った菓子を作ったことが縁で同町を訪れた。青木さんは「美郷のクリは菓子との相性がいい」と称賛した。 青木さんはフランス・パリの拠点を中心に活動していたが、新型コロナウイルス感染症がまん延したため昨年帰国。コロナ禍に苦しむ全国の農家を支援したいと、各地の果物を材料にコンフィチュール(フランスのジャム)の製造・販売を行っている。
 コロナ収束後の新たな菓子作りのため、イメージに合った素材の産地を巡る一環で同町を訪問。田中秀俊町長と懇談し、町内で製造した栗きんとんを食べながら、「おいしい。大自然を感じる味と香り。(クリの収穫時期の)秋に向けて、いろいろ考えたい」と新作への意欲を語った。
 同町は年間70~80トンを収穫する県内有数のクリの産地。販路を首都圏などに広めるために、新たな菓子の加工場建設が計画されている。町政策推進室は「『美郷栗』のブランド力を高める菓子作りに協力してもらえたら」と新たな縁に期待。青木さんは「また訪れて、力になりたい」と笑顔で応えていた。

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