【東京五輪】韓国で「旭日旗禁止」要求の動き強まる IOCの対応に納得できず

韓国では旭日旗反対の動きが強まっている

韓国で今夏の東京五輪での旭日旗禁止を要求する動きが高まっている。

国際オリンピック委員会(IOC)は東京五輪を前に、試合会場や表彰式などで政治的な行動を禁止すると発表。最近は人種差別への抗議を中心に容認する動きが広まっていたが「デモンストレーション、政治的、宗教的、人種的なプロパガンダ」を禁止する五輪憲章第50条を今大会も維持することを決定した。

しかし、この動きを巡って韓国で議論が沸騰。同国メディア「トップスターニュース」は「IOCは東京五輪で『人種差別反対』は不可としたが旭日旗での応援は可能だ。東京五輪組織委員会は今大会で日本軍国主義の象徴である旭日旗による応援を許可しており、IOC側もこの件に関して『旭日旗での応援はケースバイケースで判断する』と繰り返すだけだ。韓国メディアではIOCの〝政治的〟という判断基準に一貫性がないと非難が起きている」と報じた。

韓国政府は2019年9月に「旭日旗は日本の侵略を受けた韓国や中国、東南アジアなどに歴史の傷を想起させる明白な政治的象徴だ」として、IOCへ東京五輪での旭日旗使用の禁止を求める書簡を送付。これに対してIOCは「五輪で問題が生じた場合はケースバイケースで対応を検討する」と返答。韓国では事実上、旭日旗の使用が容認されるものだと批判する世論が高まっているのだ。

同メディアはIOCによる〝前科〟も指摘。「2012年ロンドン五輪の男子サッカーで、韓国が3位決定戦で勝利した後に『独島は私たちの土地だ』と書かれた紙を持って走るセレモニーを披露したらIOCから処分を受けた。しかし同じ大会で日本の体操チームは旭日基に基づいたデザインがされたユニホームを着たのに何の制裁も受けなかった」と糾弾。ユニホームが旭日旗を連想させるかは韓国側の一方的な指摘だが、政治的パフォーマンス禁止の一方で旭日旗使用を容認するIOCを非難する世論が沸騰しているのだ。

「この動きと関連して、徐坰徳(ソ・ギョンドク)誠信女子大教授は旭日旗がドイツナチスの象徴であるハーケンクロイツと同じ意味の戦犯旗だと周知させるため〝東京五輪旭日旗排除キャンペーン〟を展開している。3月の聖火リレー開始日からパラリンピックが終わる9月5日まで続く」と韓国では旭日旗反対運動も盛り上がりを見せている。

東京五輪へ向けて日韓両国の間で緊張感が高まりそうだ。

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