右アキレス腱断裂の巨人・テームズに厳しい声「外野では使えない」「ラミレスよりひどい」

負傷し顔をゆがめたテームズ。右は丸

9年ぶり日本一奪回の戦力として期待された巨人の新助っ人、エリック・テームズ外野手(34)が、日本デビュー戦となった27日のヤクルト戦(神宮)でまさかの右アキレス腱断裂。長期離脱が決定的となった。「6番・左翼」でデビューした助っ人は3回の守備で右足を負傷し、救急車で病院に運ばれた。そんなテームズにチーム内からは「外野では使いようがない」と厳しい声が突きつけられた。

まさかのアクシデントだった。肌寒さが残る中、半袖姿でプレーしたテームズは1点リードの3回一死一、二塁でオスナの鋭い左前打にバウンドが合わずファンブル。慌ててジャンプすると着地の際に右足を痛めた。倒れ込むとそのまま悶絶した。

だがプレーが止まってもテームズは立ち上がれず。慌ててタンカが運ばれ180センチ、106キロの巨体がグラウンドから運び出された。テームズはそのまま救急車で病院に直行。代わりにウィーラーが左翼に入った。

試合は同じ新助っ人スモークが2安打の活躍を見せ、ウィーラーが9回の勝ち越し2号ソロを含む4打数4安打と爆発。4番・岡本和の通算100号となる4号2ランなど今季最多となる21安打、4本塁打、最多14得点で14―11と勝利。それでも年俸1億2500万円(推定)、メジャー96発助っ人の離脱に原監督は「まあしょうがないですよな、何と言うかね」と表情を曇らせた。

この日、3番手として登板し3回無失点で1000投球回を記録した野上は、19年10月の左アキレス腱断裂から復帰まで半年以上かかっている。テームズの今季中の復帰はかなり厳しいが、チーム内からは「今日の守備を見ると、仮にケガが治ったとしても外野では使いづらい」といきなりの〝ダメ出し〟がされた。ライバル球団関係者も「二軍戦から見ているけど、外野守備はラミレス(元巨人)よりひどい。とても外野ができるとは思えない」と同じ意見だった。

実際、テームズは韓国リーグ、メジャーで一塁626試合に対し左翼131試合、右翼110試合と一塁が本職。19年から2年間、外野守備はしてなかった。だが巨人はメジャー196発スモークを2年6億2000万円(推定)で獲得。スモークは一塁しか守れず、テームズを外野で起用するしかなかった。

もちろんテームズの打力は2年連続日本シリーズ4連敗の巨人にとって必要だった。巨人の長年の伝統を壊しテームズの両腕のタトゥー露出も認めていたほど。それだけに球団フロントも「大丈夫じゃないよ。大変だよ」とまさかの離脱に動揺を隠せなかった。

もっともこの日、ウィーラーが発奮したように、出場機会が減るはずだった選手にとっては巡ってきたチャンス。果たして衝撃のテームズ離脱を巨人が〝ケガの功名〟とできるか。

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