全日本プロレス春の祭典「チャンピオン・カーニバル(CC)」は29日、無観客にて4試合が行われ、宮原健斗(32)が〝陰湿ファイター〟青柳優馬(25)との世界タッグ王者対決を制して5勝目(3敗)を上げ、勝ち点10で首位タイをキープした。
両者相手の手の内を知り尽くす戦いは、壮絶な読み合いの攻防となった。終盤には宮原が放ったシャットダウンスープレックスをエンドゲーム(変型羽根折り固め)で切り返されるなど、苦しい展開。しかし、最後は青柳渾身のスピンキックを完ぺきに見切ってかわしてからブラックアウト(ヒザ蹴り)を叩き込み、今度こそシャットダウンスープレックスを決めて3カウントを奪った。
試合後は「2021年、宮原健斗大復活だ!」と、5月3日のジェイク・リーとの最終戦を前に優勝を宣言。さらに「俺の復活を待っているみんながいるんだ。そのために優勝が必要なんだ! ジェイク・リーが素晴らしい、認めざるを得ない存在になったのは事実だ。だが、俺と同じ時代に生まれたのが運の尽きだ!」と力を込めた。
一方、健闘むなしく敗れた青柳は「さすがです、大将…。このCCの前に大将は『エースを捨てて臨む』って言ったけど、エースって自分で名乗るものでもなければ捨てるものでもないんだって思いました。あの人は紛れもなく、全日本のエースです」と話した。
また、残る公式戦はゼウスが土肥こうじが両者リングアウトで勝ち点を伸ばせず、ジェイク・リーが石川修司に、諏訪魔が芦野祥太郎に勝利した。これで5勝3敗の勝ち点10は諏訪魔、ジェイク、宮原、佐藤耕平の4人。5勝3敗1分けで一足先にリーグ戦を終えたゼウスを含め、5月3日の最終戦を残し5人が勝ち点10で並ぶ大混戦となった。