ロッテ・マーティン止まらん最速10号 「量産ペースは落ちない」他球団がビビる根拠

初回に10号2ランを放ったロッテ・マーティンは、手応えにこの表情

ロッテのレオニス・マーティン外野手(33)が開幕から好調をキープしている。陽気なキューバ人助っ人は29日の西武戦(メットライフ)第1打席でリーグ最速の2桁本塁打となる先制10号2ランを右翼席中段に放り込み、チームの連敗を2で止めた。

「なるべく早く味方投手を助けたかった。先制点を取れて良かった」。昨季の10号本塁打は自身出場43試合目だったが、今季は30試合で到達した。このペースならシーズン40発も夢ではない。悲願のリーグ優勝を狙うチーム、ファンにとってもこの活躍は頼もしい限りだろう。

とはいえ、来日3年目ともなれば日本球界への適応が見込める反面、ライバル球団からのマークも厳しくなる。今後打棒が下降する恐れもありそうだが、外国人選手獲得に携わる他球団の編成担当者に聞くと「マーティンに関して、それは心配ないと思う。むしろ今後も打ち続けるんじゃないか」と警戒感を示した。その根拠となっているのが「契約内容」だ。

マーティンは昨季途中の11月にロッテと推定年俸2億円の複数年契約を結んだ。だが、この数字はあくまで「基本給」と言われている。その証拠に本人とロッテの契約が明らかになる直前、米スポーツ専門局「ESPN」の記者がツイッターで「2年総額600万ドル(約6億5000万円)」という大型契約であると報じた。当時ロッテ側はこの金額について「年俸額は異なる」と否定していたが、前出の他球団の編成担当者によれば、この金額は出来高を含めた総額だった可能性が高いという。

「確かに年俸ベースは2億円かもしれませんが、彼クラスであれば出来高払いの額を高めに設定するのは常識です。おそらく本塁打数や打点、打席数、タイトル等がその対象でしょう」

となれば今季この調子で活躍を続け、出来高数値を全てクリアすれば、自身の年俸に加えて1億円以上が転がり込む計算になる。これは黙っていても本人のモチベーションにつながる。

「ホームランの数とかそういうのは考えてない。考えているのはチームのために何ができるかなので」と試合後も個人記録よりチーム優先を強調した優等生助っ人だが、プロである以上、年俸は稼げる時に稼いでおきたいのが本音だろう。

打てば打つほど懐が暖かくなり、かつ、チームにも貢献できる。今後もマーティンのバットには期待ができそうだ。

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