長崎県内3月有効求人倍率1.04倍 雇用失業情勢据え置き コロナ影響を注視

安定所別有効求人倍率

 長崎労働局は29日、3月の県内有効求人倍率(季節調整値)を発表した。1.04倍で前月から0.04ポイント上昇した。前月を上回るのは6カ月連続で、1倍台は2カ月連続。求人数が求職者数を上回って推移しているが、引き続き新型コロナウイルス感染症が雇用に与える影響を注視する必要があるとして、雇用失業情勢は据え置いた。
 瀧ケ平仁労働局長は、今後の見通しについて、新規求人数が昨年3月以降にコロナの影響で大幅に減少した反動で増加に転じる一方、感染防止のため求職活動を控える傾向は続くと予測。結果、求人倍率は上昇するとしつつも「社会経済活動の回復による上昇ではない」とした。
 新規求人数(原数値)は前年同月比12.7%増の9574人となり、20カ月ぶりに前年を上回った。特に宿泊業・飲食サービス業は同39.6%増。前年減っていた反動もあるが、休業していたホテルの営業再開などで求人が増えた。建設業は公共工事が依然好調で同35.9%増。卸売業・小売業は同1.5%減だった。
 新規求職者数(同)は同9.2%増の6254人だった。感染状況が一時落ち着いたことで、60歳以上の高齢者が求職活動を再開したことが要因。
 公共職業安定所(ハローワーク)別の有効求人倍率(同)は佐世保の1.37倍が最高。対馬の0.81倍が最も低かった。
 また、2020年度の平均有効求人倍率も発表。19年度比0.23ポイント減の0.95倍で2年連続低下した。コロナの影響で宿泊業・飲食サービス業、観光関連産業を中心に新規求人数が大幅に落ち込んだことが響いた。

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