首位阪神で“絶賛売り出し中”中野は攻守に安定感 矢野監督「これが拓夢の持っている力」

中野拓夢(右)を出迎える秋山拓巳

4月首位で折り返した阪神で、その原動力となっているのは新戦力の台頭だ。6本塁打とハッスルしたドラフト1位・佐藤輝だけなく、同6位入団ながら24歳の社会人出身のルーキー・中野拓夢内野手の奮闘もチームに新風を吹かせている。

4―2と快勝した30日の広島戦も「8番・遊撃」で先発起用されると、攻守に渋い働きで勝利に貢献した。2回無死から2点目の足掛かりとなる右前打でチャンスメークしたバット以上に、この日目立ったのは前の試合で「ショートを守る以上は…」と話していた本職でもある遊撃守備だ。

2回の守備では、広い甲子園の三塁ファウルゾーンを猛ダッシュし、フェンスギリギリのところで松山の邪飛を抑えただけなく、4回には西川の中堅へと抜けそうな当たりを追いつくと、ステップと止めることなく、絶妙のボディバランスで一塁送球し、間一髪でアウトに。ともに先発・秋山を大いに盛り立てるプレーで、試合後の矢野監督も「スタートも結構いいし、打球に行くまでの速さっていうのはあるなっていうは、ここまでの評価としてはある」と、一軍レギュラーの水準に着々と近づいている。

打っても50打数以上で打率3割4分、出塁率4割1分1厘、3盗塁とプロの一軍レベルの投手陣にも、しっかりと結果を残している。

指揮官は「バッティングもそんなに大きな波はないってところで、維持できている。これが拓夢の持っている力かなと」と、新鋭の打力も評価している。

昨年までのレギュラー・木浪と遊撃のポジションを巡る競争は3、4月の約1か月で確実に激化。猛虎の正遊撃手争いは首位を走るチームで、さらに注目を浴びることとなりそうだ。

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