原巨人 二塁問題」混迷で急浮上した2人の“新刺客”とは?

中日戦で先発出場した若林

巨人の「二塁問題」が混迷を極めている。30日の中日戦(東京ドーム)は坂本、丸、岡本和の主力3人が揃って沈黙。2―3で敗れ、連勝も2で止まった。4月を14勝9敗2分けで終えた一方で、一向に定まらないのが二塁だ。ここへきて絶好調のゼラス・ウィーラー内野手(34)とエスタミー・ウレーニャ内野手(21)も“新刺客”に浮上してきている。

ゲームセットの瞬間、無観客の東京ドームの巨人ベンチは静けさに包まれた。エース菅野が7回3失点で降板し、好調だった打線もこの日は中日先発・柳らの前に空回り。2番・坂本は2三振、3番の丸は2三振に2併殺、4番の岡本和も3打席連続三振を含む4タコで、原辰徳監督(62)は「いいピッチングをされましたね。丁寧に」と総括した。

今月は4選手のコロナ陽性が判明したり、期待の新助っ人のテームズが右アキレス腱の重傷を負うなど、相次ぐ誤算に見舞われながらも月間で5つの勝ち越し。さらなる上昇気流に乗りたいところだが、首脳陣の悩みが尽きないのが二塁手だ。軸となっているのは両打ちの若林晃弘内野手(27)と吉川尚輝内野手(26)の2人。しかし、どちらも指揮官が求める「図抜けた力」には達していないのが実情だろう。

開幕時まで好調だった若林は故障とコロナから復帰した後は打棒が安定せず、打率2割4分1厘、0本塁打、3打点の成績。この日出番がなかった吉川も同2割2分2厘、2本塁打、5打点で、左打ちの外野手の重信を代打に送られたこともあった。総合力では若林ながら、守備では吉川に一日の長があるものの打力不足…というのがベンチの見方と言える。

2人のどちらかが突出した結果を残さない限り“日替わり起用”は続きそうで、チーム状況しだいでは新たな“刺客”が投入される可能性もある。まずは打率5割で絶好調のウィーラーだ。この日は7回に反撃の口火を切る右中間適時二塁打を放ち、元木ヘッドも「今年一番ジャイアンツのなかで調子が良い」と大絶賛。コロナ復帰前の二軍戦でも二塁を2試合守っており、昨年7月29日のDeNA戦(東京ドーム)以来となる二塁起用の可能性は十分ある。

また、昨年9月に支配下登録されたウレーニャも候補の一人となりそうだ。今季の二軍戦で二塁に就いたことはないが、この日の試合前の練習では二塁で村田修野手総合コーチのノックも受けていた。

ここまで二塁でスタメン出場したのは若林と吉川、増田大と現在二軍調整中の北村と広岡の5選手。ウィーラーとウレーニャも参戦となれば、異例の“7人体制”となってしまうが…。

誰かがレギュラーを勝ち取るのか、それとも流動的な日々が続くのか。今後の展開から目が離せない。

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