阪神・佐藤輝の “進化スピード”に他球団ビビる 清原超え「35発」予想する声も

広島3連戦の初戦を制し、梅野(右)とタッチする阪神・佐藤輝

阪神・佐藤輝明内野手(22)の快音が止まらない。4月30日の広島戦(甲子園)では4打数2安打1打点をマーク。3、4月の新人最多本塁打新記録(ドラフト制導入以降)となる8号アーチこそ飛び出すことはなかったが、4―2の快勝劇に大きく貢献した。

開幕当初は相手バッテリーの厳しい内角攻めを中心とした配球に苦しみ、一時は打率1割台前半にまで低迷していた佐藤輝だが、この日の2安打で打率は2割4分5厘にまで上昇。コンスタントに四球も選べるようになるなど、打席での確実性も間違いなく高まっている。

阪神入団以降、規格外ルーキーを徹底マークしてきた他球団スコアラーは「これまで苦手とみられてきたインコースの直球を佐藤輝は見極められるようになってきた。正直、もう少し苦しんでくれるかなと思ったのですが、進化のスピードが速い。こちらとしても対策が難しくなってきました」と舌を巻く。

007はデータ収集だけでなく、対象選手の性格等を把握することも大切な仕事の一部。前出スコアラーは「春季キャンプの頃は『肝が据わった図太いタイプ』だなと思っていました。ところが旧知の阪神関係者に『アイツって生意気な奴なの?』と佐藤輝の人となりを聞いてみると出てくるのは『謙虚』『低姿勢』『勉強熱心』『スコアラーの話をよく聞く』といった言葉ばかり。彼は考えながら野球に取り組むタイプなのだな、と。余計に厄介ですよ」と苦笑い。そんな実直な性格だとチヤホヤされたルーキーにありがちな〝落とし穴〟にはまって成績を下げる可能性も低く、伸びしろは青天井だと覚悟する。

「彼がここまでマークした7本のアーチは、全て飛距離120メートル前後のもの。広い甲子園も浜風も彼には関係ありませんよ。三振数も相当な数になると思いますが本塁打は35発前後はマークすると思います」

NPB新人最多本塁打記録は1959年の桑田武(大洋)と86年の清原和博(西武)の「31」。敵から清原超えの太鼓判まで押された背番号8は充実の4月を終え、新たな戦いの日々へ挑む。

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