4病院長「GW 感染機会減らして」 長崎医療体制 崩壊しかねない非常事態

 新型コロナウイルス感染症の急拡大で長崎医療圏(長崎市、西海市、西彼長与町、時津町)の医療体制が崩壊しかねない非常事態にあるとして、長崎大学病院などの4院長が30日、「特にゴールデンウイーク(GW)中の外出や会食を可能な限り自粛し、感染機会を減らしてほしい」と市民に要請する声明を出した。要請は第3波が起きていた1月7日以来。
 4院は、ほかに長崎みなとメディカルセンター、日赤長崎原爆病院、済生会長崎病院。4月29日現在、長崎医療圏の確保病床数は140床で74床が埋まっている。30日までの1週間で同医療圏内で確認された新規感染者数は約140人。長崎大学病院の広報担当者は「現場の肌感覚として重症患者の発生割合は第3波より多いようだ」と話す。
 声明では「多くの一般病床を縮小し、看護師、医師のマンパワーをコロナ治療に注力している。治療を待機できる場合は入院の延期をお願いする事態も起きている」と、コロナ感染以外の通常診療に支障が出ている状況を説明している。
 4院長は「市民の皆さまへ」として「慎重な行動が長崎医療圏の医療体制の維持につながり、救われなければならない命を救うことにもなります」と協力をお願いしている。


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