豊田章男社長が“速さ”と“強さ”をみせたWECチームに感謝「GR010で鍛えたものをお客様に」

 TOYOTA GAZOO Racingがベルギー、スパ・フランコルシャン・サーキットで5月1日に開催されたWEC世界耐久選手権第1戦スパ・フランコルシャン6時間レースで、トヨタGR010ハイブリッドの初優勝を達成した翌日、豊田章男TGRチームオーナーがチームとファンに向けたコメントを発表した。

“もっといいクルマづくり”を掲げるトヨタの社長である豊田氏は同社のモータースポーツ活動を担うTOYOTA GAZOO Racing(TGR)のチームオーナーも務めている。

 今回、そのTGRの一部隊であるTGR WECチームが、ル・マン・ハイパーカー(LMH)規定の下に誕生した新しいトップクラスで争われた2021年シーズン開幕戦スパに新型ハイパーカー、トヨタGR010ハイブリッドを投入して参戦。小林可夢偉組7号車がハイパーカークラス初のポールポジションを奪うと、決勝では中嶋一貴組8号車が初戦デビューウインを飾った。

 この結果を受けて豊田チームオーナーは2日、コメントを発表している。

 豊田氏は「スポーツカーは“速さ”と“強さ”が必要だと思う」と前置きし、「初レースでトヨタGR010ハイブリッドの“速さ”と“強さ”の可能性を感じさせてくれた6人のドライバーたちとチームのメンバーに感謝したい」と謝辞を述べている。

 そんな豊田オーナーのコメント全文は以下のとおりだ。

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 我々が日々続けているのは、もっといいクルマづくりです。ドライバーが安心安全に、そして運転を楽しみながら、ゴールに到着できるようなクルマを目指しています。
その中でも、スポーツカーはさらに“速さ”と“強さ”が必要だと思います。

 WEC世界耐久選手権で、市販車により近いクルマで競うハイパーカークラスが始まりました。TOYOTAGAZOORacingは、新たにGR010ハイブリッドというレースカーで、そのクラスに挑戦を始めました。

 週末に、その開幕戦となるスパ・フランコルシャン6時間レースが開催され、2台のGR010ハイブリッドが初めて耐久レースという厳しい道を走り始めました。

 その初めての道でこのクルマに関わったメンバーたちは、GR010ハイブリッドの“速さ”と“強さ”の可能性を見せてくれたと思います。

 1周のタイムを競う予選では7号車の小林可夢偉が2分00秒747という素晴らしいタイムでこのクルマの“速さ”を見せてくれました。

 ポールポジションでスタートした7号車の可夢偉やホセ、マイクは途中のアクシデントもあり決勝では3位となりましたが、一貴、セブ、ブレンドンの8号車はトップを走り続け6時間を走り切る“強さ”を見せてくれました。

 何が起こるかわからない初レースで、このクルマの“速さ”と“強さ”の可能性を感じさせてくれた6人のドライバーたちとチームのメンバーに感謝したいと思います。

 ただ、我々は“速さ”“強さ”“安心”“安全”そのすべてを今後も示し続けそして高め続けていかないといけません。

 レースはこれからも続きます。24時間レースもあります。どんな道でも走り続けられるクルマづくりをこのまま続けていってもらいたいと思います。

 そしてこのクルマで鍛えたものをお客様にお届けできるようにしてまいりたいと思います。

 ファンの皆さま、初戦を見守っていただきありがとうございました。これからもTOYOTAGAZOORacingのもっといいクルマづくりを見守っていただければと思います。

皆さま、よろしくお願いします。

TOYOTA GAZOO Racing チームオーナー
豊田章男

WEC世界耐久選手権のハイパーカークラスに参戦しているTOYOTA GAZOO Racing
2021WEC開幕戦スパ・フランコルシャンの暫定表彰式

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