大学再びオンライン授業に 連休中の帰省に警戒、自粛呼び掛けも 長崎県内

がらんとした教室で行われたオンライン授業=4月30日、長崎市三ツ山町の長崎純心大

 新型コロナウイルス感染の第4波を受け、県内10大学・短大のうち、6校が大型連休前後から期間限定で授業をオンライン形式に切り替えつつある。他の4校は対策を講じながら対面形式を維持。ただ、いずれも状況次第でオンラインの期間延長や導入を検討するという。連休中も帰省を含め県外移動の自粛を学生に要請。学内での流行を防ごうと神経をとがらせている。
 4月30日、平日の午前にもかかわらず長崎市三ツ山町の長崎純心大キャンパスに学生の姿はなかった。「みなさん聞こえていますか」。広い教室で一人、妹尾知昭准教授がノートパソコンに話し掛ける。画面には自宅などにいる人文学部こども教育保育学科の1年生93人が映っていた。
 この日から同大は全授業をオンラインや事前収録したオンデマンドなどの遠隔式にした。90分の「国語概論」講義を終えた学生は「いつもより話すスピードが速かった」と感想。妹尾准教授は普段なら学生がノートを取り終えたか様子をうかがうが、画面越しでは手元が見えない。「彼らの表情で理解度をつかみたいが、画面ではそれもやりにくい。早く対面に戻れるといいが、学びを止めないことが一番大切」と話した。遠隔授業は8日まで予定し、連休明けに延長するかどうか決める。
 緊急事態宣言下の1年前は全国でオンライン授業が定着し、県内の各大学も採用した。その後の昨年9月、文部科学省が、学生同士や教員とのつながりも教育の重要な要素とし、感染対策を講じた上で対面授業の再開を促す通知を出した。これを踏まえ、県内でも対面とオンラインを併用する「ハイブリッド型」が普及した。
 約9千人の学生が在籍する長崎大(長崎市)は昨年度、オンラインが約3割、対面が約7割だった。本年度から対面中心にする方針だったが、やむなく6~16日をオンラインに絞った。
 この流れは4月26日の鎮西学院大(諫早市)を皮切りに広がり、県立大(佐世保市、西彼長与町)と活水大(長崎市)、長崎国際大(佐世保市)も6日から追随する予定だ。
 一方、長崎総合科学大(長崎市)や長崎外国語大(西彼時津町)、長崎女子短期大(長崎市)、長崎短期大(佐世保市)は対面を維持しているが、「状況次第」という。長崎総科大は「理工系なので教育の質を担保する上で対面授業は欠かせない。しかし、感染状況に応じてオンラインに切り替える準備はできている」としている。
 さらに、各校が警戒するのが連休中の帰省だ。ほとんどがホームページや学生向け一斉メールなどを通じて、県外に移動しないよう求めている。長崎国際大は、独自に指定する東京や大阪などの「検査義務化地域」に行った学生に対し、キャンパス内施設でのPCR検査を義務化。陰性と確認できた後に受講を許可する。

 


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