総重量1キロ、うちチーズが350グラムも使われている巨大ピザが誕生した。高さも6センチある「深皿」のような形のシカゴピザで、圧倒的な存在感が人気を集めている。(共同通信=中村彰)
タワーマンションが立ち並ぶ川崎市中原区の武蔵小杉駅周辺。その駅前に複合施設「Kosugi 3rd Avenue」が2020年12月にオープンした。1階のフードコートの一角に開店したのが「パンと焼き菓子のPapapapa―n!―ブリオッシュ専門店―」だ。
オーナーシェフの神戸友輔さんは群馬県高崎市出身の33歳。子どものころからパンが大好きで、パン屋さんになる夢を見続けてきた。国内のパン店やレストランなどで修業の後、2018年に中原区新丸子町に店舗を開き独立。翌年に同区内に2店目を出店。この店は3店舗目だ。
ブリオッシュとは、通常のパン生地に卵やバター、砂糖を加えた菓子パンのようなもの。やわらかく、ふわふわとして甘みがあるのが特徴。神戸さんはフランスで食べたブリオッシュのおいしさを引き出し、ぱさつきなどの欠点を補った製品の試作を重ねた上で完成させた。
3店目の目玉商品が「Papapapa―n!のブリオッシュシカゴピザ」(Sサイズ1380円、Lサイズ2680円)。ピザ生地を深く作るのがシカゴピザの特徴だが、この店のシカゴピザは一段と深い。Lサイズは直径15センチで高さが6センチ。Sサイズでも直径10センチ、高さ4・5センチある。
Lサイズはとても一人で食べられる大きさではないので4分割するが、それでもどっしりとしたピザにかぶりつく。
生地はバターの香りが濃厚で少し甘め。外周部はサクサクとビスケットのような歯応えだ。 重さ1キロのLサイズのピザのうち、350グラムをモッツァレラチーズが占める。濃厚な生乳のイタリア産と、伸びの良いオランダ産の2種類を配合。手に取るとチーズがたっぷりとこぼれ落ちてくる。
酸味が残ったトマトソースと、あめ色になるまで炒めた玉ネギ、皮目が香ばしい鶏肉、白インゲンなどの具材がスパイスと相まって、手と口が止まらない。食べ終えてしばらくはおなかのどっしり感が消えなかった。
店ではこのほか、フランス産発酵バターと卵黄などが素材の食パン、ブリオッシュを使った各種の調理パンなど多彩な商品をそろえている。神戸さんは「お手頃価格で焼きたてを提供するので、毎日でも来店してもらえたら」と話していた。