丁寧なマグロ加工で評価 障害者支援事業所「ぴあ三浦」、地元の力に

手際よく包丁でマグロの皮をむく利用者=ぴあ三浦加工場

 精神障害者の就労や生活の支援に取り組むNPO法人「ぴあ三浦」(神奈川県三浦市南下浦町上宮田)が、地元企業や自治体と連携して活動の場を広げている。マグロの加工作業では丁寧な仕事ぶりが評価され、コロナ禍での安定した収入源に。観光客に人気のマグロを扱うことで地域振興にも一役買っている。

 ぴあ三浦が運営する就労継続支援B型事業所は2013年度から、三崎の老舗魚店「魚音(うおおと)」の依頼を受けて加工場でマグロの皮むきをしている。冷凍の尾の身を解凍し、2人の女性利用者が手際よく包丁で皮をそぐ。処理量は1週間で200キロを超す。

 皮をむいたマグロは納品後、細かく調理され、人気の総菜「トロトロ煮」になる。魚音の物部幸村社長(54)は「こちらにとっても必要な作業。仕事も丁寧で、可能ならもっと頼みたい」と話す。同社は20年度の障害者生産活動支援事業に貢献した企業として、2月に県から表彰された。

© 株式会社神奈川新聞社