小池知事傘下の都民ファが「五輪署名合戦」に参戦 苦戦予想される7月都議選対策か

小池都知事が特別顧問を務める都民ファも署名集めを開始した

ネット上でさまざまな署名集めが盛り上がりを見せている中、小池百合子都知事が特別顧問を務める「都民ファーストの会」も参戦。政府の新型コロナ水際対策が甘いとして、菅義偉首相に改善を求める署名集めを開始したが、政治的思惑が強過ぎるとあって…。

先週から活況を呈しているのが、オンライン署名サイト「change.org」を使ったキャンペーンだ。宇都宮健児弁護士が五輪中止を訴え、25万人の署名を集めれば、政治評論家の竹田恒泰氏は逆に五輪開催を支持する署名を募り、署名合戦となっている。

9日に「インド型変異株の流入拡大を防ぐために水際対策の強化を内閣総理大臣に求める」と題し、署名集めを呼びかけたのは都民ファだ。インドで猛威を振るっている新型コロナ変異株の国内流入は現状の対策では避けられないとして、菅首相に厳格な水際対策を要望したいという。

都民ファは特別顧問を務める小池氏が実質的に率いる都議会与党で、署名を募るのは異例だ。同党の伊藤ゆう都議はツイッターで「国政に議席を持たない地域政党だからこそ、遠慮なく国に建設的に提言できる集団だと思っている」と一刻を争う事態のため、キャンペーンを始めたという。

自民党関係者は「コロナ対策で国と都の方針にズレが出ているので、感染者が増えているのは国のせいだと責任を押し付けているようなもの。小池氏が知事会で関東、関西勢の意見をまとめ、政府に陳情や政策提言すればいいだけの話」と指摘する。

7月4日投開票の都議選対策にも映るという。都民ファは圧勝した4年前と打って変わって、大苦戦が予想されている。

同関係者は「国民を巻き込むやり方は名簿集めに匹敵する運動になる可能性もある。小池氏はまだ五輪返上の爆弾カードも握っていて、何をしでかすか分からない怖さがある」と警戒している。

© 株式会社東京スポーツ新聞社