上越市市制施行50周年 合併アラカルト〈4〉上越地域消防事務組合 「上越」の名の下結束 発足から来年で50年

 昭和46年4月29日に上越市が誕生したことにより、それまでの高田市消防署は上越市南消防署に、直江津市消防署は上越市北消防署に名称が変更する。

 翌47年5月1日、広域市町村圏振興整備計画に基づき「上越地域消防事務組合」が19市町村(当時)により発足。これにより上越市南・北消防署と新井市消防署庁舎が譲渡され、新たに上越南消防署、上越北消防署、新井消防署となる。

 南・北両署は市街地に立つ旧高田、直江津消防署の木造の建物を利用していたが、北消防署は昭和51年に春日新田1に、南消防署は同56年に北城町1に新庁舎が完成し移転する。

昭和51年竣工の上越北消防署庁舎(上越市公文書センター提供)
昭和56年竣工の上越南消防署庁舎(上越市公文書センター提供)

 58歳の退職まで北署で6年、南署で2年署長を務めた元市議会議員の瀬下半治さん(72)は昭和42年、直江津市消防署に新採用で配属された。4年後、上越市の誕生と翌年の組合発足に伴い2年続けて辞表を提出、即採用されるという手続きを踏んだ。「手続きとはいえ、辞表を出すことは不安だった」と笑う。また直江津から上越北に名称が変わっても「任務の遂行に変わりはなかった」と振り返る。

 同組合はその後、平成9年の広域市町村圏の再編および同17年の14市町村合併を経て、現在は上越、妙高両市の1消防局6署2分遣所の体制となっている。

 来年は組合発足50周年。「上越地域」の名の下、広域の消防署が一つの組織になり半世紀。同組合は「先人たちが築いた〝上越〟への郷土愛を引き継ぎ、新たなページを進む第一歩」とし、節目を迎える準備を進めている。

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