ゴールデングローブ賞が存亡の危機 主催者の「人種構成の偏り」にトム・クルーズがトロフィー”返却”で抗議

トム・クルーズ

米アカデミー賞の前哨戦としても注目を集める映画賞「ゴールデングローブ賞」が存亡の危機に立たされている。

同賞はハリウッド外国人映画記者協会(HFPA)が主催し、同協会の会員の投票により受賞者が決定する。ところが黒人の会員がいないことから、「人種構成が偏っている」と批判されているのだ。

そのため、同賞の発表・授賞式を毎年中継してきた米NBCはHFPAに改革を求めてきたが、改善が不十分だとし、来年の放送を見送ることを決めた。

同局は10日(日本時間11日)、「HFPAが改革に取り組んでいることは理解しているが、抜本的変革には時間と努力が必要で、解決には更なる時間がかかると判断した」とする声明を発表した。

ただし、2023年1月には例年通りの放送を予定していると付け加えた。

HFPA側も協会として会員の多様化を進めているとしているが、ハリウッドスターやエンターテイメント企業の中にはゴールデングローブ賞を〝ボイコット〟する動きが活発化している。

米芸能ニュースサイト「デッドライン」は米俳優トム・クルーズがHFPAへの抗議として、これまで受賞した同賞のトロフィー全てを協会に送り返したと伝えた。

トムは「7月4日に生まれて」(89年)と「ザ・エージェント」(96年)でそれぞれ主演男優賞を受賞し、「マグノリア」(99年)で助演男優賞を獲得。同サイトは他の受賞者がトムに続く可能性もあるとしている。

また、動画制作・配信サービス大手のネットフリックス、アマゾン・スタジオやワーナーメディアもHFPAへの抗議として、人種構成の改革が明かな成果をもたらすまで、同協会に協力することはないとの見解を示している。

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