高級紙タイムズが日本政府の方針転換を指摘 表向きは五輪開催強行も水面下で中止の流れ

菅首相

英高級紙「タイムズ」が、中止の世論が高まっている今夏の東京五輪について日本政府の〝方針転換〟を指摘した。

新型コロナ禍の深刻化により、世論だけでなくアスリートからも開催中止を求める声が高まっている。そうした中、同紙が注目の報道を行った。

「日本の首相が、国のコロナウイルスの状況が悪化して五輪を中止するよう政府に圧力が高まる中、東京五輪よりも公衆衛生を優先すると主張した」。これまで開催強行の姿勢を頑なに貫いてきた政府が、開催中止を望む世論に耳を傾け始めたと説明。そして「世論調査が大会への強い反対を明らかにし続けており、政治家たちが〝スーパースプレッダーイベント〟になる可能性について恐怖を表明しているため、菅義偉はますます防御的になっている」と同紙。東京五輪の開催強行による危険性をようやく認識し始め、国民の生命を守る方針、すなわち五輪中止へと政府が舵を切りつつあるとの論説を展開した。

同紙は国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が来日を延期したことや、自民党の二階俊博幹事長が感染が深刻化した場合に「ためらうことなく五輪を中止しなければならない」との方針を口にしていることも併せて報道。表向きは開催強行の方針を崩していないが、水面下では着実に中止の流れになっているとした。

同紙は1月にもIOCが大会中止の方針を固めたと報じており、日本の危機的状況を受けていよいよ中止へのカウントダウンが始まったと主張した。

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